響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレをみてきた
劇場版響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレを二回みたのでそろそろ感想を書きます。
※注意!ネタバレです。
※原作未読での感想です。
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久石奏について
この子(公式サイト画像リンク)
今回の映画からの新キャラで久美子たちの後輩になります。
担当楽器は久美子*1と同じユーフォニアムで、今回の映画の主役の一人であると言えます。
どんな子かというと、公式サイトで「他人を信頼していない」と書かれているように、本音を隠し、どこか「部活」というものに諦めのような感情を持っているように見える印象を受けます。
序盤では実力は他の部員よりあるけど周囲とうまくいってない鈴木美玲*2のことを肯定するも、最終的に主人公の久美子により周囲と馴染めるようにされた時は面白くなさそうにしているなどで、視聴するこちらからみても「何か過去にあったんだろうけどよくわからない」というほどの情報しかありませんでした。
後半に、コンクールのメンバー決めのオーディションがある際に、中川夏紀*3にメンバーを譲るためにわざと手を抜いた演奏をし、夏紀を怒らせそのままオーディションを延期にさせられた際にいよいよ本音が出てきました。
過去に先輩を差し置いてコンクールメンバーに出場し、必死で努力したものの結果が出ず、「これだったら先輩が出た方がスッキリした(意訳)」という言葉を投げかけられていた*4という過去があったそうです。
そのため「がんばるって何ですか?」という言葉など、自分が努力しても部にとってはプラスにならないという風に考えているように見えます。
部活というのは集団で活動するので、各個人の考え方により、どうしても理屈では通らないことがあり、それに飲まれないように逆らうのは至難の技であると思えます。
そのため、奏自身も「私は敵を作りたくない。」という発言などから、うまく立ち回っていたつもりだったのかもしれません。
しかし、当の夏紀が「こんな手を抜かれるくらいならオーディションを降りる」と言い出した時には動揺した表情を見せていたことから、中学時代と今との環境の違いに気づけず、また周囲の人間の本質的な部分をまるで把握していなかったのかもしれません。
振り返ってみると、美玲との一件も、現状を肯定するだけで、本心では周囲と仲良くしたがっていた美玲の本心にも気づいていなかったように思えます。
その後、久美子の決死の説得により、「がんばる」ことについてもう一度見つめ直すとともに、自分がいる北宇治高等学校の吹奏楽部の環境、低音パートの環境、ユーフォニアム奏者たちの環境について考え直す機会を経て、最終的にユーフォニアム奏者は揃ってオーディションに合格することになります。
そして実際のコンクールでは、残念ながら関西大会でダメ金(金賞だけど全国には出られない)になり、再び久美子に「がんばるって何ですか?」と投げかけるも、その後に「悔しくて死にそうです」と言葉にし、今後への糧になるような希望を残したラストになっています。
原作未読なので、他の細かい部分はわかりませんが、彼女は、トラウマを形成してしまっており、それを久美子とのやり取りで最終的に乗り越えていくという「成長」を見せてくれるキャラクターだったと思います。
久美子について
主人公です。
今作では二年生に進級し、新入生の相談係(通称黄前相談所)になり、めんどくさい一年生の相手をしていくことになります。
一年生の頃のことで、精神的に成長しているので、はっきりいってものすごい有能です。
美玲の件では、彼女が何を望んでいたのか見抜き、みんなの元に導くために「みっちゃん」と呼んでもらうという具体的なアドバイスを送ったり、奏の本音が爆発した時も、自ら率先して接触して、本音に応えることで奏を導きました。
本作のラストは久美子が部長になるシーンで幕を閉じるのですが、後輩をこれだけ導く力があればこの人選は必然であると言えるでしょう。
一年生の頃あすか先輩*5に言われた、「気になって近づくくせに、傷つくのも傷つけるのも怖いからなあなあにして、安全な場所から見守る」という点についても、安全な場所から見守る場面は今回は特になく、自ら率先して干渉していくようになっているあたりも久美子の成長が伺えると思います。
そして今作は、秀一*6との恋愛についても描かれ、デートや二人きりでの行動をする描写も多かったが、結局部活のために距離を置くことをお互いで選択します。
これらに関してはお互いの思いが正しく通じ合った状態で今後どうなるのか?といった未来を思わせる展開であったと思います。
そして忘れてはいけない麗奈との関係ですが、ぶっちゃけ秀一との二股やんけこんなのと思いました。
二人の関係は公式媒体で引力でたとえられ、一年時より親密になっているので普段から距離感があまりにも近いです。*7
あがた祭りの日の秀一とのデートの後に二人で会った際に醸し出す雰囲気がとても友人同士のそれには感じられず、他の人とのデート直後*8でこれとか完全にこっちが本命の浮気じゃん!ってなりました。
結論としては久美子の一年間の成長の成果と、人間関係の変化をみることのできる映画でした。
久美子は将来についても悩んでいるのですが、その結論については今後の展開で見られると思います。
リズと青い鳥要素
昨年公開された、本作の裏で起きた出来事を記した、リズと青い鳥を視聴していると楽しめる要素がそこかしこに埋め込まれていました。
ちなみに私は最低15回は劇場で見て、円盤も買いました。みんなも見ましょう。
リズと青い鳥という単語自体は、今作ではあくまで自由曲の曲名および元となった絵本として登場するだけのものです。
リズと青い鳥の主役である希美とみぞれのふたりはキャスティングされておらず、一言も喋らないのですが、要所要所でモブキャラとして、主に優子、夏紀と一緒にいるところが見られます。
この裏で、リズと青い鳥の出来事が起こっていたと思うと、見る目が若干変わったりします。
そのほかにも、ハッピーアイスクリームのやりとりが流行っていたり、梨々香がみぞれと仲良くしてたりとリズと青い鳥を思わせる要素があります。
ですが一番感慨深いのはコンクールの第三楽章を演奏するシーンです。
ソロの掛け合いが上手なこともさることながら、大事なタイミングで希美とみぞれを抜くカメラワークをしているので、リズを見ているとニヤッとします。(本作しか見ていないと謎のモブがいきなりカメラに抜かれてクソうまい演奏をしているシーンになりますが)
あの物語の続きが見られるというだけでも十分感慨深いので、リズと青い鳥を見た人は視聴するといいと思います。
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およそ以上のような感想を抱きましたが、結論としては非常で面白い映画なので「とりあえず見た方がいい」ということを主張します。
僕も今度3回目を見に行きます。
こんなもん読んでる暇あったら今すぐ見にいけ〜〜〜〜!!!!!
おわり